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過敏性腸症候群の治療

「通勤電車に乗ると必ずお腹が痛くなる」「大切な会議や試験の前になると、決まって下痢をしてしまう」「便秘と下痢を何日も繰り返していて、スッキリしない」

このようなお腹の不調が長く続いて、日常生活に支障をきたしてはいませんか? もしかしたら、それは「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。

過敏性腸症候群は、大腸カメラなどの検査をしても、がんや炎症といった目に見える異常(器質的疾患)が見つからないにもかかわらず、腹痛や腹部の不快感を伴う下痢や便秘が続く病気です。命に関わる病気ではありませんが、症状が続くことで生活の質(QOL)が大きく低下してしまう、非常につらい病気です。

原因はまだ完全には解明されていませんが、ストレスや不安、生活習慣の乱れなどが引き金となり、脳と腸がお互いに影響を及ぼしあう「脳腸相関」のメカニズムが関係していると考えられています。

尾花医院では、消化器病専門医である院長が、過敏性腸症候群の診断と治療を専門的に行っています。「体質だから」と諦めずに、ぜひ一度ご相談ください。

過敏性腸症候群(IBS)の主な症状

過敏性腸症候群の最も特徴的な症状は、腹痛やお腹の不快感があり、それが排便によって一時的に楽になることです。これに加えて、便の回数や形状に異常が見られます。

  • 腹痛、腹部の不快感、お腹の張り
  • 下痢(突然の便意、軟便、水様便)
  • 便秘(硬い便、ウサギの糞のようなコロコロした便、排便困難)
  • 下痢と便秘を交互に繰り返す
  • ガス(おなら)が溜まりやすい、頻繁に出る
  • 残便感(排便後も便が残っている感じがする)
  • ゲップや吐き気
  • 頭痛や疲労感、不安感など、お腹以外の症状を伴うこともあります。

これらの症状は、緊張やストレスを感じる場面で特に強く現れる傾向があります。

過敏性腸症候群(IBS)の原因

過敏性腸症候群のはっきりとした原因はまだわかっていませんが、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

  • ストレス 脳が感じたストレスや不安は、自律神経を介して腸に伝わります。これにより、腸の運動が過剰になったり(下痢)、逆に動きが鈍くなったり(便秘)します。これを「脳腸相関」と呼び、IBSの最も大きな要因の一つとされています。
  • 消化管の運動異常 食べ物を運ぶ腸のぜん動運動のリズムが乱れ、動きが速すぎたり遅すぎたりします。
  • 知覚過敏 腸が刺激に対して非常に敏感になっている状態です。健康な人なら何とも感じないような、わずかな腸の動きやガスの発生でも、強い痛みや不快感として感じてしまいます。
  • 感染性胃腸炎 ウイルスや細菌による胃腸炎にかかった後、腸内環境が変化し、IBSを発症することがあります(感染後IBS)。
  • 腸内細菌の乱れ 腸内に棲む細菌のバランス(腸内フローラ)が乱れることも、発症に関与していると言われています。

過敏性腸症候群(IBS)のタイプ

症状の現れ方によって、主に以下のタイプに分類されます。ご自身のタイプを知ることが、適切な治療への第一歩となります。

  • 下痢型 突然の激しい腹痛と共に、水のような下痢が起こります。特に男性に多く見られるタイプで、ストレスがかかる状況で症状が出やすいのが特徴です。
  • 便秘型 腸の動きが悪くなり、ウサギの糞のようなコロコロとした硬い便になります。強い腹痛や腹部膨満感を伴うことが多く、女性に多い傾向があります。
  • 混合型 下痢と便秘を数日おきに繰り返すタイプです。
  • 分類不能型 上記のいずれにもはっきりと当てはまらないタイプです。

過敏性腸症候群(IBS)の診断と治療

診断について

過敏性腸症候群の診断で最も重要なことは、症状の原因となる他の病気(大腸がん、潰瘍性大腸炎など)がないことを確認することです。そのため、まずは問診で症状を詳しくお伺いし、必要に応じて血液検査や便検査を行います。そして、大腸がんなど命に関わる病気ではないことを証明するために、大腸カメラ検査が非常に重要になります。大腸カメラで腸の中に異常がないことを確認して初めて、「過敏性腸症候群」と安心して診断することができます。

治療について

治療の目標は、つらい症状をコントロールし、病気に悩まされることなく日常生活を送れるようにすることです。当院では、患者様一人ひとりの症状のタイプやライフスタイルに合わせて、以下の治療法を組み合わせて行います。

  • 生活習慣の改善 治療の基本となります。十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消法を見つけるなど、生活リズムを整えることが非常に大切です。また、食事の面では、暴飲暴食を避け、1日3食を規則正しく摂ることを心がけましょう。
  • 食事療法 特定の食品(香辛料、脂肪の多いもの、アルコールなど)が症状を悪化させることがあります。ご自身の症状と食事内容を記録し、原因となる食品を避けることも有効です。
  • 薬物療法 最近では、IBSに対して非常に効果の高いお薬が次々と開発されています。腸の運動を整える薬、便の水分バランスを調整する薬、腸の知覚過敏を抑える薬など、患者様の症状のタイプに合わせて最適なお薬を処方します。また、症状に応じて漢方薬による治療を検討することもあります。

院長より

「どうせストレスのせいだろう」「体質だから仕方がない」 過敏性腸症候群のつらい症状に、長年一人で悩み、そう思い込んで諦めてしまっている方々が、実は非常に多くいらっしゃいます。検査をしても「異常なし」と言われるため、周りの人にも理解されにくく、そのことがさらにストレスとなって症状を悪化させるという悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

しかし、過敏性腸症候群は「気のせい」でも「ただの体質」でもなく、適切な治療によって改善が期待できる、れっきとした病気です。

私たち消化器専門医の役割は、まず第一に、大腸カメラ検査などを通じて「あなたの腸には、がんなどの怖い病気はありませんよ」ということを明確にお伝えし、大きな安心を提供することです。その上で、つらい症状の原因となっている腸の機能異常に対して、生活習慣の見直しや最新の知見に基づいたお薬の力を借りて、一歩一歩、改善への道のりを共に歩んでいくことだと考えています。

原因のわからないお腹の不調に悩まれている方は、どうか一人で抱え込まず、私たちにご相談ください。あなたの「生活の質」を取り戻すため、一緒に取り組んでいきましょう。

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