苦痛の少ない内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)検査
内視鏡とは、細い管状のカメラを挿入し胃や大腸を直接観察する検査機器です。内視鏡検査を定期的に行うことにより、日本人に多い胃癌や大腸癌の早期発見・早期治療が可能となります。近年では機器の性能があがり、鎮静剤なども併用することで苦痛少なく検査を行うことが可能となっています。
検査は、「上部消化管内視鏡検査(口や鼻から入れる胃カメラ)」「大腸内視鏡検査(肛門から入れる大腸カメラ)」の2つの種類があります。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について
昔の胃カメラは口から挿入するタイプのみでしたが、現在は鼻から細い内視鏡(先頭部分が5mm程度)を挿入する検査法も行われるようになっています。経鼻内視鏡は鼻から挿入しますので、経口内視鏡よりも吐き気が起こりにくいことが特徴です。
胃カメラ検査の流れ
1.検査前日
- 夕食は、夜9時までに、消化の良いものをとってください。
- 水分(お茶やお水などの透明な飲料水)は、検査当日も摂取可能です。
2.検査当日
- 朝、食事はとらないでお越しください(朝の薬がある場合には指示に従ってください)。
3.検査中
- ベッドに左向きになった状態で検査を行います。
- 検査時間はだいたい10分ぐらいです。
- 診断を確かめるために、色素をまいたり組織を採取したりすることがあります。
大腸内視鏡検査(肛門から入れる大腸カメラ)
大腸ポリープや大腸がんは、日本人の食生活が欧米化している現在、増加している疾患です。
大腸カメラ検査の流れ
- 検査日までに外来で下剤の服用法や前日の食事の注意点などをご説明します。
- 検査前夜に少量の下剤を服用していただきます。
- 検査当日には前処置として午前中に2リットルほどの下剤(腸管洗浄液)を服用していただき、腸内の糞便を出して、午後から検査となります。
- 鎮静剤を注射した後に肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体(盲腸まで)を観察します。
- もし病変が見つかれば、必要に応じて組織を採取する生検や切除を行います。その場合、激しい運動やアルコール摂取はしばらく控えてください。
検査の実際
内視鏡的ポリープ切除術
大腸ポリープをスネア(針金でできた輪)で締め上げて、切除します。
留意事項
- 検査中は空気でお腹が張りますが、検査後数時間でもとに戻りますので心配はありません。
- 検査後は休んでから帰宅していただきます。
- 内視鏡的ポリープ切除術を行った場合、検査後(おおよそ1週間以内)に出血や、稀ながら穿孔(腸に穴が開くこと)生じる危険性があります。