胆のう・胆管の病気(胆石・胆のう炎・ポリープなど)
「みぞおちや右の脇腹に、突然、脂汗が出るほどの激しい痛みが走った」「健康診断で『胆石』や『胆のうポリープ』を指摘されたけれど、症状がないので放置している」
このような経験はございませんか?これらは、胆のう・胆管の病気でよく見られるケースです。胆のうは、肝臓で作られた脂肪の消化を助ける「胆汁」を一時的に溜めておく袋状の臓器ですが、ここに石(胆石)ができたり、炎症(胆のう炎)が起きたり、ポリープができたりすることがあります。
症状がない場合も多いですが、一度症状が出ると激しい痛みを引き起こしたり、緊急の治療が必要になったりすることもあります。また、まれにがんが見つかることもあるため、指摘された場合は決して放置せず、一度は専門医による精密検査を受けることが大切です。
尾花医院では、日本消化器病学会の専門医である院長が、腹部超音波(エコー)検査を用いて、これらの胆のう・胆管の病気の正確な診断と適切な治療方針の決定を行っています。
胆のう・胆管の主な症状
胆のうや胆管の病気では、以下のような症状が現れることがあります。特に、胆石発作は非常に特徴的です。
- 右季肋部痛(みぞおちや右の脇腹の痛み) 特に、脂っこい食事を摂った後、数時間してから突然起こる激しい痛みが特徴です(胆石発作)。右肩や背中に痛みが広がることもあります。
- 発熱、悪寒 胆のう炎を起こすと、持続的な痛みと共に熱が出ます。
- 吐き気、嘔吐
- 黄疸(おうだん) 皮膚や白目が黄色くなる症状です。胆石が胆管に詰まると現れることがあり、注意が必要です。
- 無症状 胆石や胆のうポリープは、症状が全くないまま健康診断などで偶然発見されることも非常に多くあります。
胆のう・胆管の代表的な病気
胆石症(胆石)
胆汁の成分が固まって石のようになったものを「胆石」と呼びます。多くは胆のうの中にできます(胆のう結石)。胆石を持っていても症状がない「無症状胆石」の方も多くいらっしゃいますが、石が胆のうの出口に詰まったりすると、胆汁の流れが妨げられ、前述のような激しい痛み(胆石発作)を引き起こします。 食生活の欧米化に伴い、コレステロール系の胆石が増加しており、特に40代以降の女性、肥満気味の方、脂質の多い食事が好きな方にできやすい傾向があります。
急性胆のう炎
胆石が胆のうの出口(胆のう管)に詰まることで、胆のう内に細菌が感染し、急激な炎症を起こす病気です。胆石発作と同様の持続的な右季肋部痛に加え、発熱や吐き気・嘔吐を伴います。放置すると胆のうが壊死したり、腹膜炎を起こしたりする危険な状態になることもあり、緊急の治療(多くは入院)が必要となります。
胆のうポリープ
胆のうの内側の壁にできる、イボのような隆起性の病変です。そのほとんどは、良性である「コレステロールポリープ」で、がん化することはありません。しかし、まれにがん化する可能性のあるポリープや、初期の胆のうがんである場合もあります。 一般的に、大きさが10mmを超えるものや、短期間で大きくなるもの、形がいびつなものは、がんの可能性を考慮して手術が推奨されることがあります。そのため、胆のうポリープを指摘された場合は、症状がなくても定期的に腹部エコー検査で大きさや形の変化を観察していくことが非常に重要です。
胆のうがん・胆管がん
胆のうや胆管に発生する悪性腫瘍です。いずれも早期の段階では自覚症状がほとんどなく、発見が難しいがんの一つです。黄疸や腹痛などの症状が出てから見つかった場合は、進行しているケースが多くなります。腹部エコー検査などで偶然、早期に発見されることもあります。
診断には腹部超音波(エコー)検査が有効です
これらの胆のう・胆管の病気の診断において、最も有用で、身体への負担が少ない検査が腹部超音波(エコー)検査です。エコー検査では、胆のう内の胆石の有無や大きさ、胆のうの壁が厚くなっていないか(胆のう炎のサイン)、ポリープの有無や大きさ・形状などを詳細に観察することができます。痛みもなく、放射線の被ばくの心配もない安全な検査です。
当院の胆のう・胆管疾患の診療
尾花医院では、消化器病専門医としての豊富な知識と経験に基づき、胆のう・胆管の病気に対して的確な診療を提供します。
- 専門医による精度の高いエコー検査 院長自らがエコー検査を行い、胆のう・胆管の状態を詳細に観察します。健康診断などで指摘された異常の精密検査はもちろん、腹痛の原因精査にも対応します。
- 分かりやすい結果説明と適切な方針決定 検査後は、エコーの画像を一緒にご覧いただきながら、現在の状態を分かりやすくご説明します。その上で、治療の必要性、定期的な経過観察でよいのか、あるいは手術が必要なため高度医療機関への紹介が必要なのか、一人ひとりの患者様にとって最適な方針をご提案します。
- 生活習慣の指導 胆石症の背景には、食生活などの生活習慣が関わっています。総合内科専門医としての視点も活かし、再発予防やリスク管理のための食事指導なども行います。
院長より
ある日突然、経験したことのないようなお腹の激痛に襲われる「胆石発作」。あるいは、健康診断で思いがけず告げられる「胆石」「胆のうポリープ」の指摘。どちらも、患者様にとっては大きな不安の種だと思います。
症状がないからといって放置してよいものなのか、それともすぐに治療が必要な危険なサインなのか。その判断を、ご自身で行うことは非常に困難です。
私たち専門医の役割は、まず、腹部エコー検査という客観的な検査を通じて、あなたの胆のうに今何が起きているのかを正確に把握し、その状態を分かりやすくお伝えすることです。その上で、今後の見通しと、あなたにとって最善の選択肢(経過観察、治療、専門病院への紹介など)を一緒に考えていくことだと考えています。
高槻市にお住まい、お勤めの方で、みぞおちや右脇腹の痛みを経験された方、あるいは健康診断で胆のうの異常を指摘され、ご不安を抱えている方は、どうぞ一人で悩まず、私たちにご相談ください。皆様の不安を「安心」に変えるお手伝いをさせていただきます。
