すい臓の病気(膵炎・膵のう胞・すい臓がんなど)
膵臓は、血糖値などを調節するホルモンを分泌する内分泌機能と消化酵素である膵液を小腸に送り込む外分泌機能がある器官です。膵臓に生じる病気としては膵炎(急性・慢性)や、膵のう胞、膵臓がんなどが代表的です。また、糖尿病も内分泌の機能に異常をきたした結果、血糖値の異常を生じる病気です。
膵炎
膵炎とは、何らかの理由で膵臓に炎症をおこす病気です。代表的な原因として、過度の飲酒や胆管結石があげられます。軽症から重症まで含まれ、重症膵炎では死に至る場合がありますので早急な診断と治療が必要です。
症状的には腹痛や嘔吐などを生じ、入院治療が必要になります。また、総胆管結石による急性膵炎の場合は内視鏡による結石除去(内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP))が行われます。
膵のう胞
膵のう胞とは膵臓に発生する、液体が貯留した袋のようなものです。近年画像診断により、診断される頻度が多くなってきています。膵のう胞には様々な種類があり多くは良性ですが、一部のものに関しては長年の経過で癌化することがあります(膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)など)。このため腹部超音波やCT、MRIなどで定期的に経過観察を行うことが必要です。
膵臓がん
膵臓がんは、早期発見が非常に困難で他の癌と比較して治療成績も悪い病気です。喫煙や肥満、糖尿病、遺伝によるものなど、様々な要因で発症すると考えられています。糖尿病や膵のう胞、慢性膵臓炎などがある方は、腹部超音波などの画像検査を定期的に受けることが推奨されます。手術が原則ですが、進行していたり黄疸を合併している場合は、抗がん剤治療や内視鏡による黄疸の治療(胆道ステント留置術)なども併用されます。